波乱の「大発会」 中東緊迫化で東証一時500円超安





麻生太郎金融担当相らが参加して行われた、日本取引所グループの大発会=6日午前、東京都中央区の東京証券取引所(早坂洋祐撮影) 

 東京株式市場は6日、令和2年最初の取引となる「大発会」を迎えた。午前の取引で、日経平均株価の下げ幅が一時500円を超えた。中東情勢の緊迫化を受け、投資家心理が冷え込んでおり、令和の時代になって最初の大発会は波乱含みの展開となっている。

 日経平均は取引開始直後から下落でスタートし、寄りつきは、前年末比336円86銭安の2万3319円76銭。東京市場が休みの間、米軍によるイラン司令官殺害が発生。両国間の報復合戦発展への懸念から、米国株が下落した流れを引き継いだ。対ドル円相場が年末の「大納会」のときと比べて円高に傾いたことも重しとなっている。

 取引開始直前に開かれた大発会の式典では、日本取引所グループ(JPX)の清田瞭(あきら)グループCEO(最高経営責任者)が「いろいろなリスクを乗り越え、良い年になるよう努めたい」とあいさつした。続いて、株式市場の発展を祈願して、麻生太郎財務相兼金融担当相や晴れ着姿の女性らが今年の取引開始を告げる鐘を5回打ち鳴らした。

 東京商品取引所でも6日、大発会を迎え、中東産原油の先物が急騰した。指標価格は一時1キロリットル当たり4万3540円を付け、昨年5月31日以来約7カ月ぶりの高値を付けた。

 原油輸送の重要航路ホルムズ海峡はイラン沖にあり、日本などアジアに運ぶタンカーの安全航行が懸念された。

 有事の安全資産とされる金の先物価格も上昇。1グラム当たり5442円と、取引時間中の過去最高値を記録した。先物価格は消費税や保管費用を含まないため小売価格より安い水準となる。

 6日午前の東京外国為替市場の円相場は1ドル=108円台前半で取引された。朝方は一時1ドル=107円台を付ける場面もあった。

 中東情勢への懸念から比較的安全な資産とされる円を買ってドルを売る動きが強まった。



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