【北京=三塚聖平】中国中部の湖北省武漢市で原因不明のウイルス性肺炎の発症が相次いでいる問題で、同市当局は6日までに59人の発症が確認されたと発表した。
ウイルスの特定作業は継続中だが、2003年に中国各地などアジアを中心に感染が広がった新型肺炎(SARS)の可能性は排除されたと表明した。
重症は7人で、これまでに死亡者は出ていないという。59人は昨年12月12日から同29日にかけて発症した。発症者を隔離治療しているほか、発症者に接触した163人について経過観察を続けているという。
現段階の調査では、人から人への感染は報告されていない。発生情報が一時インターネット上で出回ったSARSや、中東呼吸器症候群(MERS)の可能性は排除されたという。
武漢市は、国や湖北省の支援を受けて治療や感染拡大の阻止などを進めている。