漫画をインターネット上に無断公開する海賊版サイトに配信中継サービスを提供し、著作権侵害に加担しているとして、出版社「竹書房」(東京)と漫画家の男性が米IT企業「クラウドフレア」に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたことが6日、分かった。同社のサーバーに一時保存されている漫画データの削除も求めている。
同社はウェブサイトへのアクセスを効率化させる事業の大手で、原告側は「違法行為を認識しながら是正措置をせず、放置している」と主張。多くの海賊版サイトがサービスを利用しているとされ、法的責任が認められれば、サイトの運営が困難になる可能性がある。
同社は海賊版サイトにサーバーを貸し出し、利用者はサーバーに一時保存されたデータにアクセスする仕組み。運営側は配信速度が上がり、より多くの利用者を確保できる利点がある。著作権法違反罪で公判中の「漫画村」(閉鎖)の元運営者も契約していた。