海賊版ダウンロード違法化、対象絞り込みで一致せず 有識者検討会


 著作権者の許可なく、漫画などをインターネット上に公開した「海賊版サイト」と知りながら、ダウンロード(DL)する行為の違法化について議論してきた文化庁の有識者検討会は7日、3回目の会合を開いた。規制対象を「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」などに絞り込むかどうかについて意見が分かれたため、結論は出なかった。

 今後、土肥一史座長(一橋大名誉教授)が取りまとめ案を作成したうえで委員に示し、了承を得られれば報告書として公表する。土肥氏は会合後の取材に「表現を工夫し、全員に納得してもらえるような案を示したい」と述べた。

 ダウンロード違法化は、政府の海賊版サイト対策の一環として、昨年11月から検討会で議論されている。規制対象を「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」などに限定する点については、これまで「(ネットでの情報収集などでの)萎縮を懸念する声が多いため導入しても良いと思う」などの賛成意見に対し、「この要件を入れると権利者側が立証して訴訟をしなければならず、海賊版対策としての実効性が失われる」といった反対意見があった。7日の会合でも意見が交わされたが、まとまらなかった。

 検討会はこれまでに、パソコンなどで閲覧したネット画面を保存する「スクリーンショット」(スクショ)で違法画像が付随的に入り込んだケースや、数十ページの漫画の1コマDL、パロディーを含む2次創作物のダウンロードを規制対象外とすることでは一致している。



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