中東での米国とイランの対立激化を受け、原油価格が急上昇している。8日の東京商品取引所では中東産原油の先物価格が一時、1キロリットル当たりで前日の清算値(終値相当)と比べて2400円高い4万5320円と、7カ月半ぶりの高値となった。原油の多くを中東に依存している日本の石油業界は「一層の上昇局面もあり得る」と、さらなる攻撃の応酬と長期化に警戒感を強めている。
「中東の緊張で、70ドルに張り付いたうえで、さらなる上昇も想定される」
石油鉱業連盟の渡辺修会長は8日、米国産標準油種(WTI)の今年の原油価格について、50~70としてきた予測を引き上げた。WTIの2月渡しは時間外取引で一時、7日の通常取引の終値と比べ2・95ドル高の1バレル=65・65ドルとなった。中東情勢の混迷で、原油供給が滞りかねたいと不安視されたためだ。
石油大手の首脳は「今回は、昨年のタンカー攻撃やサウジアラビアの石油施設攻撃とは別次元の危機だ。ホルムズ海峡でのタンカー攻撃など、事態が悪化すれば、相場見通しや業績予想の大幅修正も必要になる」と、危機感を募らせる。
経済産業省が8日発表した6日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売価格は、昨年12月23日時点の前回調査と比べて1円30銭高い150円10銭だった。調査のなかった年末年始を除き、9週連続で値上がりした。150円台の高値になったのは昨年5月の調査以来。家計や企業活動へのマイナス要因が懸念される。