【ワシントン=塩原永久】米連邦航空局(FAA)は10日、米ボーイングの新型旅客機「737MAX」の一部に安全基準の不適合部品が取り付けられていたと指摘した問題で、同社に対して540万ドル(約5億9千万円)の制裁金を課す方針を発表した。
737MAXは、2度の墜落事故を起こし、各国で飛行停止が命じられているが、部品は事故原因とは関係ない。ただ、FAAはボーイングの品質管理のあり方を問題視しており、同社が急ぐ信頼回復に影を落としそうだ。
部品は主翼の前方部分に設置される「スラットトラック」。FAAによると、部品メーカーが製造してボーイングに納入し、737MAXの約180機に敷設された。FAAは強度面の不適合品が取り付けられたと昨年6月に公表し、同社に即時交換を命じていた。
FAAは、737MAXの前世代機「737NG」にも同じ不適合品が取り付けられたとして、昨年12月に390万ドルの制裁金を課す方針を同社に通達した。