高野弁護士にも懲戒請求 ゴーン被告逃亡肯定「品位に反する」



カルロス・ゴーン被告(納冨康撮影)

 レバノンに逃亡した日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)の弁護人を務めていた高野隆弁護士に対し、東京都内の男性から「被告の逃走を肯定する発言をブログでしたのは重大な非行」などとして第二東京弁護士会に懲戒請求が出され、同会の綱紀委員会が調査を開始したことが17日、関係者への取材で分かった。弘中惇一郎弁護士にも東京弁護士会に懲戒請求が出され、既に調査が始まっている。

 高野氏はゴーン被告逃亡発覚後の4日、自身のブログで「公正な裁判は期待できない」などと日本の刑事司法制度を批判した上で「彼と同じ財力、人脈、行動力がある人が同じ経験をしたなら、同じことをしようとするだろうことは想像に難くない」などと発信した。

 関係者によると、懲戒請求書では高野氏について「被告を管理監督する立場にいながら、このような発言をすることは、あまりに無責任であり、違法行為を肯定する発言であり、助長する行為。弁護士としての品位に反する行為であるのは明白」などと指摘。高野氏が逃亡に関与した疑いもあるとして同弁護士会に調査を求めた。

 高野氏の事務所は産経新聞の取材に対し、「取材は受けない」としている。

 高野氏は弘中氏とともにゴーン被告の弁護人を務めていたが、16日に2人とも辞任。弘中氏に対する懲戒請求も東京弁護士会に出され、同会の綱紀委員会が調査を開始したことが判明している。

 高野氏は刑事弁護の専門家として知られ、ゴーン被告の保釈請求に際し、住宅への監視カメラの設置など具体的な条件を弁護側から提示する手法で、東京地裁の保釈決定に重要な役割を果たしたとみられている。



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