【香港=藤本欣也】香港警察の発表によると、警察当局は18日までに、九竜地区のアパートなどでパイプ爆弾と爆薬を押収し、学生や幼稚園の教員ら10人を爆弾製造などの疑いで逮捕した。昨年来、手製爆弾関連の事件は5件目。当局は香港で爆弾テロの危険性が高まっているとして、25カ所以上の電力・水利関連のインフラ施設の警備を強化する措置を取った。
警察によると、10人は反政府デモの参加者で、過激な行動も辞さない勇武(武闘)派のメンバーという。
また、当局は米国で購入された武器を受け取ったとみられる27歳の男を逮捕し、自宅で拳銃と銃弾を押収した。今月、米国から空輸された10個の郵便物には約510発の銃弾などが入っていたという。
香港では昨年12月、高性能爆薬が詰められた手製爆弾や、殺傷能力の高い半自動小銃も押収されている。
一方、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、警察側もデモ隊を制圧する武器を強化するため、スタンガンの一種であるテーザー銃の導入を検討している。テーザー銃は電気ショックで対象者を動けなくする武器だ。
米国やオーストラリア、シンガポールなどの警察で使用されているが、米国では2001年~12年にテーザー銃で少なくとも500人が死亡しているという。
香港警察トップの●(=登におおざと)炳強警務処長は報道内容を否定せず、「拳銃以外の武器の導入を検討中だ」とコメントしている。