【CMウオッチャー】森ビル 創業期から虎ノ門ヒルズ、そして未来へ





森ビルが公開した新CM。カラフルなファッションに身を包んだ「竹の子族」と呼ばれる若者たちが行き交う原宿に、モデルの山口小夜子さん(中央)が登場する(同社提供)

 虎ノ門ヒルズ、表参道ヒルズ、六本木ヒルズ-。60年以上前の創業期から東京を中心に都市開発を手掛けてきた大手デベロッパーの森ビルが街づくりにかける思いを伝える新CM「DESIGNING TOKYO(デザイニング東京)」が、話題を呼んでいる。CMでは、かつて東京・原宿で流行した原色の服装に身を包んだ「竹の子族」と呼ばれる若者とともに、伝説のファッションモデル、山口小夜子さんが登場する。それぞれの時代を象徴する著名人らが変化を続ける東京を案内し、都市の未来を展望する。

 東京五輪・パラリンピックの開催を控える今年は、世界や日本各地から多くの視線が東京に注がれる。新CMの狙いについて森ビル広報は、「2020年やその先の東京の未来を皆さんと考え、切り開いていきたいという当社の強い思いを発信する良い時機だ。都市の未来に思いをはせる機会にしていただければ」と話す。

 森ビルは昭和30年、前身となる森不動産が設立。その後、東京・虎ノ門に2棟のビルを完成させた。新CMは2棟目となるビル「西新橋2森ビル」が完成した31年のモノクロ映像で始まる。

 ビル1階の扉に掛けられた「第二森ビル」と書かれた看板の前の通りを、風呂敷に包んだ荷物を手にした和服姿の女性らが行き交う。通りの先では東京タワーや周辺のビルの建設が続々と進み、東京の街の輪郭が変わる様子を描く。

 東京・原宿の「ラフォーレ原宿」が完成した53年をイメージした映像では、色とりどりの服装で決める「竹の子族」の若者らが行き交う。そんな若者らの中心に、当時パリ・コレクションで活躍し世界中の人々から“東洋の神秘”と称賛された伝説のファッションモデル、山口小夜子さんがさっそうと現れる。

 この後、61年に東京・赤坂で完成したアークヒルズの映像に移る。隣接する「カラヤン広場」に登場した男性は、この年34歳だった音楽家の坂本龍一さんだ。周辺には当時の人気ドラマ「あすなろ白書」の出演者らの服装に通じるジャケットを羽織る女性らが描かれている。

 新CMはテレビ放映用にまとめた60秒の作品のほか、2分5秒の完全版が同社のウェブページなどで公開されている。同社広報は「テレビCMのほか完全版もぜひチェックしてほしい」と視聴を呼び掛けている。(経済本部 岡田美月)

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