【岩田由記夫の音楽の明日】シーナ&ザ・ロケッツがカバーアルバム

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 かつて九州には“めんたいロック”シーンというムーブメントがあった。福岡市北天神にあった名ライブハウス照和(しょうわ)からは、井上陽水、甲斐バンドなど多くのスターが生まれた。

 めんたいロック・シーン“最後の秘密兵器”といわれたのが、鮎川誠率いるサンハウスだった。サンハウスを休止させると、鮎川と妻のシーナは昭和53年、東京へ向かい、シーナ&ザ・ロケッツを結成。同年、「涙のハイウェイ」でデビューした。翌年発表したアルバム「真空パック」から、「ユー・メイ・ドリーム」がJALのCMソングに使われヒットした。

 シーナは平成27年2月14日、61歳の若さでこの世を去ったが、鮎川の強い意志によりバンドは続いている。くしくもシーナの命日である2月14日に新作「LIVE FOR TODAY!」が発売される。影響を受けた楽曲をカバーした内容で、シーナのラスト・レコーディング7曲を含む。ザ・ローリング・ストーンズ、キンクスなどの楽曲に加え、サンハウス時代の曲をシーナが歌った録音も収められている。

 アルバムの題名「LIVE FOR TODAY!」は、収録曲「今日を生きよう」の原題。米国のグラスルーツというバンドがヒットさせた曲だが、ここではテンプターズがデビュー曲「忘れ得ぬ君」(昭和42年)のB面に入れたバージョンをカバーしている。シーナは、グループ・サウンズが大好きだったのだ。

 鮎川とシーナはスタジオで時間が余ると、自分たちの大好きな既製曲を演奏した。それらの録音が今回の企画につながった。古い音楽ファンには懐かしく、若い音楽ファンには実力ある有名バンドが名曲に取り組んだらどうなるかという興味につながる。

 単体のCDだけでなく、DVD、LP各2枚とシングル盤1枚を収めた箱入りの特別な商品も同時発売される。鮎川誠71歳。ロックは強力なアンチエイジングだ。(音楽評論家)

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