【イタリア便り】地球温暖化で氷河滑落





 COP25の会場で環境保護を訴えるグレタ・トゥンベリさん=2019年12月11日、マドリード(ゲッティ=共同)

 モンブラン山系とは伊仏国境にそびえる欧州最高峰のモンブラン(標高4810メートル、「白い山」の意味)を主峰とし、仏・伊・スイス国境に沿って全長60キロ以上におよぶ標高3500メートルを超す高峰群を指す。

 本日話題とするのは、モンブラントンネルや、モンブラン大氷河を横断するロープウエーのイタリア側出発点である町から、主峰とは反対側に十数キロ離れたフェレット渓谷の上にあるプランピンソウ氷河だ。

 この辺りの氷河としてはやや小さいものなのだが、このプランピンソウ氷河の先端が昨年9月下旬から地球温暖化の影響で1日数十センチのスピードで滑落を始めたという。

 冬季の現在は止まっているが、万一、25万立方メートルと推定される氷河全体が崩壊した場合、フェレット渓谷を走る道路や宿泊設備、別荘が埋没してしまうのは必至だ。ベテランガイドたちは「温暖化の影響でモンブラン山系のいずれの氷河も昔とは全く様相が変わってしまった」と警告する。

 だが、各国の首脳や政府は、スウェーデンのグレタ・トゥンベリさん(17)のような環境保護活動家が温暖化が地球を破壊しつつあるとしていくら対処を呼びかけても、一向に応じる気配がない。

 地球は人類の手によって滅ぼされる運命にあるのかもしれない。 (坂本鉄男)



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