【カイロ=佐藤貴生】イランがウクライナ旅客機を誤って撃墜したと認めた問題で、原因を調査しているイラン民間航空当局は2発の短距離地対空ミサイルが発射されたとの暫定調査結果を発表した。ミサイルはロシア製「トールM1」だったとしている。欧米メディアが21日に報じた。
米紙ニューヨーク・タイムズは14日、旅客機にミサイル2発が命中する様子をとらえたとする動画を公開していた。
イラン側は旅客機から回収したブラックボックスは「世界で最も進んだ装置」で、解析に必要な機材がないとして米仏の航空事故調査当局に機材を送るよう求めたが、「前向きな回答は得ていない」としている。
57人が犠牲になったカナダのほかウクライナは、速やかにブラックボックスを解析するためフランスなどに送るよう要求。イランが自国で解析する方針を示したことで、欧米諸国の批判が高まりそうだ。
旅客機は8日早朝、首都テヘランの空港を離陸した数分後に撃墜された。イランはこの数時間前、イラクの米軍駐留基地をミサイルで攻撃し、反撃に備えて高度の警戒態勢を取っていた。