「新型肺炎」で売り買い交錯 株式市場のリスク要因に





20日、新型肺炎患者が治療を受けている中国・武漢の病院で、マスクを着用した警備員(ロイター=共同)

 中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の発症者拡大懸念が、株式市場を撹乱(かくらん)している。22日は過度な不安はいったん後退し、日経平均株価は反発して節目の2万4000円を回復した。中国の上海や香港の株価も反発した。ただ、今後の展開次第では、相場の重しとなる可能性もある。

 米中貿易摩擦の懸念が和らぎ、主要企業の決算発表を控える中、東京株式市場では新型肺炎が材料視されている。日本国内で患者が初めて確認された16日頃から、個人投資家を中心に関連銘柄を物色する動きが活発化していた。

 防護服やマスクを手掛けるメーカーでは22日、重松製作所が5連騰し、前日比192円高の1500円で取引を終えた。15日終値と比較すると、9割近く上昇した。このほか、15日終値比でアゼアスや川本産業が約8割、興研が約4割それぞれ上昇している。

 消費者に身近な銘柄では除菌消臭剤「クレベリン」を展開する大幸薬品にも買い注文が集まっている。

 一方、春節(旧正月)を前に、中国からの訪日客が例年に比べて減るとの予想から売られる銘柄もある。代表格は資生堂で、21日までの4営業日で株価は6%下落した。日本航空は22日までの2日間で3・3%下落した。

 中国当局は22日、新型肺炎を武漢市に封じ込める方針を表明した。市場では、「パンデミック(爆発的な感染拡大)は避けられそうだが、情勢次第では再び警戒モードになる」との見方が広がっている。



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