埼玉県北本市の北里大学メディカルセンターで肝臓の検査を受けた埼玉県の女性(65)と家族が、医師のミスにより後遺症を負ったとして総額約2億2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は23日、病院を運営する北里研究所(東京)に計約1億3000万円の支払いを命じた。
伊藤正晴裁判長は、体の外から針を刺す穿刺で、肝臓の一部を採取する際に医師が誤って肺を刺したのが原因だと判断。「超音波検査の画像で肝臓の位置を十分に確認できる状態ではなかったのに、穿刺を繰り返し強行した過失がある」と指摘した。
判決によると、女性は平成28年1月、肝硬変の検査を受けた後に意識を失った。血管に気泡が入り込んだ影響で脳梗塞を発症し、左半身がまひして介護が必要な状態となった。