【天津=吉永亜希子】中国の習近平(シージンピン)国家主席とインドのナレンドラ・モディ首相は31日、上海協力機構(SCO)首脳会議に合わせて中国・天津で会談した。両国関係の改善を進める方針を確認し、「国境問題の影響」を回避するため、適切に管理していくことでも一致した。2国間の貿易・投資の促進も申し合わせた。
中国外務省によると、習氏はモディ氏に対し、「竜(中国)と象(インド)が共に踊れるようにすることが双方の正しい選択だ」と呼びかけ、両国の発展に向けた協調の必要性を訴えた。
印外務省によると、モディ氏は「(立場の)違いが紛争になることを避けなければならない」と応じ、国境問題への対応が重要だと強調した。
中印両国は2020年、国境地帯で軍が衝突し、死傷者が出たことで関係が冷え込んだ。そうした中で両首脳は24年10月、5年ぶりに会談し、関係改善を模索してきた。モディ氏の訪中は18年6月以来約7年ぶりで、両国関係が改善基調にあることを印象づけた。
中印ともに米国のトランプ政権による高関税政策の圧力にさらされており、関係改善を後押しする一因となっている側面もある。