少雪で物損事故激減 前年比3分の1、スリップ起きず



雪がまったく積もっていないスキー場と道路=令和元年12月23日、新潟県南魚沼市

 昨年12月の1カ月間に新潟県内で起きた交通物損事故件数が前年同月と比べて3分の1に激減していることが23日、県警への取材で分かった。少雪の影響でスリップ事故が起きにくくなったためとみられる。県警交通企画課は「雪がなくても朝晩などは道路が凍結することがあり危険だ」として、高齢者を中心に注意を呼びかけていく方針だ。(池田証志、写真も)

 同課によると、昨年12月の県内の交通物損事故件数は306件で、前年同月の911件に比べ3分の1に減った。死亡事故はいずれもなく、昨年12月にけが人が出た事故は7件で、前年同月から1件減だった。

 新潟地方気象台によると、昨年12月の県内の積雪は前年より少なく、今月23日午前9時現在でも、県内にある16観測地点のうち積雪があるのは5地点しかない。

 同課では物損事故が減った大きな理由として「積雪によるスリップ事故が減ったため」と分析。その上で「朝晩や日陰、橋の上などでブラックアイスバーンが発生することがある。運転時はくれぐれも油断しないでほしい」としている。

 一方、23日午後3時現在で、今年に入り交通事故で死亡したのは3人で、いずれも高齢者だった。10日には新潟県村上市内の市道で同市の無職男性(84)の軽トラックが道路から畑に逸脱し死亡。14日には、長岡市内の国道で三条市の無職男性(87)の軽乗用車が大型トラックに正面衝突し助手席の妻(83)とともに命を落とした。

 同課は「積雪時には高齢者は運転を避けがちだが、今冬は少雪なので、例年より運転する機会が多くなっているようだ」として、今後、高齢者への注意喚起を強化する方針だ。

 同課によると、昨年1年間に交通事故で死亡した93人のうち65歳以上の高齢者は67人で、全体の72%にあたり過去最高率を記録。また、高齢者が運転していた自動車による事故で死亡した人数は38人で全体の約41%を占めた。このため、県警では、高齢者が関連する事故の抑止に力を入れている。



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