大麻、安楽死…“7つの秩序” 植松聖被告、自己を正当化 相模原殺傷





証言台前に座り、弁護側の被告人質問に答える植松聖被告(イラストと構成・勝山展年)

 未曽有の事件から約3年半。植松聖被告の口から、公の場では初めて自身の考えが語られた。午前10時半から午後4時ごろまでの公判で、植松被告は弁護側の質問に対し「人の役に立つことだと思いました」などと自らの行為を正当化。犯行当時と変わらない身勝手な持論を繰り返した。

 公判に先立ち、植松被告は勾留されている横浜拘置支所(横浜市港南区)で複数回にわたり、産経新聞の接見取材に応じてきた。「(公判では)聞かれたことに淡々と応じるだけ」などと話していたが、この日は興奮気味に語り続けた。

 植松被告は初公判の際、右手の小指をかみ切ろうとして退廷を命じられたが、この日は指に包帯のようなものを巻いて出廷。弁護側の質問は、植松被告が約3年前に弁護人に渡したノートに関することから始まった。ノートには「多くの人が幸せになるための秩序」(植松被告)として、安楽死▽大麻▽カジノ▽軍隊▽男女関係▽美容▽環境-の7項目に関する考えが記載されていたという。

 質問で安楽死のことを問われた植松被告は、名前や年齢を言えないような「意思疎通の取れない人間を安楽死させるべきだ」と悪びれることなく述べ、自らの考えに揺らぎがないことを強調した。だが、その理由は「無理心中、介護殺人、社会保障費、難民などで多くの問題を引き起こす元になっている」という漠然としたもの。具体的な意味を問われても「死の価値について考えることができない」などと抽象的に応じた。

 重度障害者の家族の気持ちについて問われると「自分の子供を守りたい気持ちは分かるが、受け入れることはできない。彼らの生活は国から支給される金で成り立っており、家族の金ではありません」と答えた。インターネットなどで「日本が借金だらけで、財政が苦しいことを知った」とし、「安楽死させると借金を減らせると思った」と話を飛躍させた。

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