27日午前の東京株式市場は、日経平均株価が急落して取引が始まった。取引開始直後には前週末終値比での下げ幅が一時500円を超えた。新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大への警戒感が金融市場全体に広がっている。
日経平均の寄り付きは399円28銭安の2万3427円90銭。新型肺炎の景気に対する下押し懸念が強まり、ほぼ全面安の展開となっている。
中国政府が海外旅行を含む全ての団体旅行を停止する措置を打ち出したことを受け、特に訪日客需要の影響を強く受ける銘柄を中心に売られている。具体的には日本航空、ANAホールディングスのほか、資生堂、ビックカメラなどの下げが目立つ。
東京外国為替市場では、対ドル円相場が一時1ドル=108円台後半に突入し、前週末よりも円高で推移している。このため、自動車や機械など輸出関連銘柄も売り注文が出ている。
ただ、市場では「重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)の際は相場の下げは短期的だった」と冷静な見方もある。