衆院予算委員会は28日午前、令和元年度補正予算案に関する2日目の基本的質疑を行った。安倍晋三首相は、春に予定する中国・習近平国家主席の国賓来日に関し、「(日中間に)問題があるからこそ首脳会談を行わなければいけない」と述べ、理解を求めた。
首相は、これまでの会談で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での中国公船による領海侵入や、新疆ウイグル自治区での人権問題、香港問題などを習氏に指摘していると説明。「両国は世界の平和と安定に責任を有している。(国賓来日は)その責任を果たす意思を内外に示す機会にしたい」と述べた。
首相は北方領土問題に関し、「北方領土はわが国の主権を有する島々だ」と強調した。質問した国民民主党の大西健介氏は、昨年の外交青書から「四島は日本に帰属する」との趣旨の記述が消えたため、今年の青書で復活させるよう求めたが、首相は明言しなかった。
補正予算案は28日午後に衆院予算委と本会議でそれぞれ可決される見通し。与党は参院での審議を経て、30日に成立させる意向だ。