在日ロシア通商代表部の幹部職員の求めに応じ、大手通信会社「ソフトバンク」の元社員が機密情報を持ち出したとされる事件で、元社員の荒木豊容疑者(48)=不正競争防止法違反容疑で逮捕=が警視庁公安部の調べに対し、機密情報や資料を渡した際の報酬が1回当たり数万円だったと供述していることが28日、捜査関係者への取材で分かった。公安部はロシア側に渡したとされる情報の内容や、報酬総額など全容解明を進める。
捜査関係者によると、数年前、在日ロシア通商代表部職員だった40代の男が街中で偶然を装う形で荒木容疑者に声をかけ、接触を開始。男は平成29年に帰国し、幹部職員で外交特権を持つ50代の男に荒木容疑者を引き継いだとされる。
幹部職員は荒木容疑者に対して10回超の飲食接待を繰り返しながら、ソフトバンクに関する公開情報や資料、機密情報を要求。受け取るたびに報酬として数万円を払い、機密性が高い場合には金額を引き上げていたとみられる。