修復困難多数、被害72億円 19号浸水川崎ミュージアム

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 昨年の台風19号で川崎市市民ミュージアム(同市中原区)が浸水して美術品や戦前の漫画本など貴重な資料が被害を受けた問題で、市は28日、絵の具が流れ落ちた油彩画など修復困難なケースが多数に上ると明らかにした。収蔵品約26万点のうち約23万点が被災し、ミュージアムの建物と収蔵品の被害総額は約72億円としている。

 市によると、被災品はほかに彫刻や土器、映画のフィルムなどさまざま。搬出と応急処置を3月末までに終える見通しだ。これまで約7万5千点を搬出し、遅れていた民俗資料や土器の運び出しも1月に始まった。古文書などは本格修復を始めるまで劣化防止のため冷凍保管する。

 市担当者は「東日本大震災で被災した博物館の例では復旧は今も続いている」と話し、市民ミュージアムの場合も復旧作業長期化は避けられないとした。

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