福島県郡山市で臓器移植用の心臓を運んでいた県警航空隊のヘリコプターが不時着し7人が重軽傷を負った事故で、運輸安全委員会の航空事故調査官が2日、事故原因を探るため現地調査を行った。
機体はアグスタ式AW139型で、後部が破断し、メインローターが折れるなどしたため、国土交通省は航空事故に認定した。
調査官3人が機体の写真を撮ったり、メインローターを念入りに調べたりした。破損して周辺に散らばった回転翼の一部なども確認した。
県警によると、操縦士の男性警部(38)は「機体が風にあおられ、不安定になった」と語った。
事故が起きた1日朝は「窓が揺れるほど強い風だった」と語る近隣住民もいる。調査官は操縦士らから事故前後の状況などを聴取する。
ヘリは脳死判定を受けた50代男性から摘出した心臓を、同県会津若松市の病院から東大病院(東京)に運ぶため福島空港に向かっていた。心臓移植は中止となった。搭乗していた警察官や医師ら7人のうち4人が重傷、3人は軽傷だった。