立憲民主党の安住淳国対委員長らが4日、衆院予算委員会の質疑内容などを伝えた同日付の新聞各紙のコピーに「すばらしい!」「くず0点」「ギリギリセーフ」といった論評を書き添え、国会内の同党などの衆院会派控室のドアに張り出した。「政府に注文 自民存在感」との見出しの産経新聞の記事は各紙よりも下方に掲示され、「論外」と書かれた。
昼前に張り出されたコピーは約30~40分で撤去され、安住氏は記者団に「調子に乗って冗談のつもりで感情の思うままに書いてしまった。伝え方が悪かった。反省している」と謝罪した。「くず」とした記事が自民党議員の質疑中心だったことに立腹し「思わずペンを走らせてしまった」と説明。「笑い話でやって、記者さんも大笑いしていた。気に障ったとすれば申し訳ない」と釈明した。
コピーでは、「桜を見る会」に関する安倍晋三首相の答弁を「ほころび」と評した紙面に花丸マークが付いた。一方、自民党議員を大きく取り上げた記事には「×」「出入り禁止」などと書かれた。
元NHK記者の安住氏は、特定の報道機関に取材規制とも受け取れる論評を加えたことについて「そんな大げさな話ではない。介入しようとは全然思っていない」と否定し、取材規制はしない考えを示した。政府・与党が同様の行為に及んだ場合の対応を聞かれると「人徳の問題だ。私に人徳がなかった。深く反省している」と答えた。
また、枝野幸男代表から4日の党役員会で「報道機関にいたのだから、理性的に対応してほしい」と注意を受けたことも明らかにした。
自民党の森山裕国対委員長は記者会見で「朝、記事を見てうなりたくなるときもあるが、それぞれの立場で書いて記事になっている。(記事を)真摯(しんし)に受け止めるということが基本だ」と述べた。