元日産自動車副最高執行責任者(COO)の関潤氏を社長として昇格させることを発表した日本電産の永守重信会長。同じく日産から招き、平成30年6月に社長に就任した吉本浩之氏は業績を回復できず、副社長に降格することとなった。二代続いての外部人材からの社長登用となった永守氏の後継者候補は明暗が分かれる形となった。
「大きな社運をかけている事業には、本当のものづくりのプロに率いてもらわなければいけない」
永守氏は4日の社長交代発表会見で、日産出身の関氏を社長に登用した理由をこう語った。永守氏は関氏が日産の中国での合弁会社総裁として評価が高いことを聞きつけ、「くどきまくった」という。
永守氏が後継候補として外部人材を招くのは初めてではない。片山幹雄副会長は元シャープ社長。現社長から副社長として家電産業事業本部長に就任することが発表された吉本氏も関氏と同じく日産出身だ。
吉本氏の経営手腕については「去年の夏ごろから業績が悪化し、強い危機感を持っていた」と振り返り、「副社長として育てながら(権限を)渡していけばよかったが、時期尚早だった」としながら、「関新社長のもとで返り咲いてほしい」と期待を示した。