【米大統領選】アイオワ農家を米中摩擦が翻弄 「ますます苦しく」「俺たちがトランプ氏を再選」





3日、アイオワ州デモインで張り出された米大統領選の民主党の党員集会ポスター(共同)

 米大統領選の民主党候補指名争いは11人がひしめく混戦ながら「打倒トランプ」では一致する。3日に最初の党員集会が開かれた中西部アイオワ州では、民主党を支持する農家の人たちが一様にトランプ大統領への批判を口にした。

 「もともと農業経営は楽じゃないが、ますます苦しくなっている」。州北西部で大豆とトウモロコシを生産するマーレイさん(34)は元共和党員。2016年の前回選はトランプ氏に投票した。今回、民主党を支持するのは、トランプ氏が仕掛けた対中関税に対し、中国が発動した米農産品への報復関税の影響で売り上げが落ち込んだからだ。

 アイオワは飼料用トウモロコシ生産量が全米1位、大豆が2位。州都デモインから車を30分も走らせれば農地が広がる。政治的には8年と12年の大統領選を民主党のオバマ前大統領が勝利し、16年の前回選は共和党のトランプ氏が制した「スイング・ステート(揺れる州)」。農家の支持が同氏の勝利に貢献したとされ、再選の行方を占う。

 州中部で100年続く農家を経営する民主党幹部のギャノン氏は「トランプ氏は混乱しかもたらしていない」と批判。政権奪還に向け、「民主党は結束する必要がある」と意気込んだ。

 ただ、打倒トランプの動きに広がりはない。農業専門誌の1月の世論調査によると、農家や牧場主のトランプ氏の支持率は83%。大統領就任以来、最高の水準だ。穀物倉庫や畜舎など農家向け建築を手がけるブランヘイガンさん(49)は「長期的利益のための一時的な我慢と考える人が多いからだ」と説明する。

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