大阪府寝屋川市の自宅のプレハブ小屋で10年以上にわたり、長女の柿元愛里さん=当時(33)=を監禁し凍死させたとして、保護責任者遺棄致死と監禁の罪に問われた両親の泰孝(57)、由加里(55)両被告の裁判員裁判初公判が7日、大阪地裁(野口卓志裁判長)で開かれた。両被告は「監禁のつもりはなかった。命にかかわる危険な状態にあるとは思いもしなかった」と起訴内容を否認した。
検察側は冒頭陳述で、両被告は小屋を施錠し、監禁開始以降は愛里さんを一度も外出させなかったと指摘。「背景に幼少期からの愛情を欠いた対応があった」と述べた。弁護側は「(愛里さんへの)療養、精神的な安定のためだった」などと主張した。
起訴状によると、平成19年3月ごろから寝屋川市の自宅敷地内で、内側から解錠できない二重扉と監視カメラを備えたプレハブ小屋内に愛里さんを監禁。全裸で生活させ、十分な食事を与えないなどし、29年12月に凍死させたとされる。
捜査関係者によると、遺体発見時の愛里さんは身長145センチに対して、体重は19キロ。17歳のころに統合失調症の診断を受けていた。両被告は捜査段階で「精神疾患で暴れるためプレハブ小屋を造って中に入れ、その後ほとんど外に出さなかった。監禁ではなく療養のためだった」などと供述していた。
事件は29年12月に両親の自首で発覚し、府警は死体遺棄容疑で逮捕。その後、保護責任者遺棄致死と監禁の疑いで再逮捕した。大阪地検は30年1月、保護責任者遺棄致死と監禁の罪で起訴したが、死体遺棄容疑は不起訴とした。