【ジュネーブ=板東和正】英政府は7日、駐米英大使に、カレン・ピアース国連大使を充てる人事を発表した。英国の駐米大使としては初の女性となる。前任のダロック氏はトランプ米大統領を「無能」などと非難する極秘公電を英国に送っていた問題で昨年7月に辞任していた。
英米間では、自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉を控える。第5世代(5G)移動通信システムをめぐっては、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)製機器の採用を容認した英政府に、トランプ政権は不満を示しており、課題が山積する中での駐米大使就任になりそうだ。
英政府によると、ピアース氏は1981年に外務省に入省し、東京での勤務経験もあるという。
ダロック氏に関しては、トランプ氏を「無能」などと伝える極秘公電を本国に送っていたと英紙が昨年7月に報道。これを受け、トランプ氏がツイッターで「(ダロック氏と)付き合うことはもはやない」と絶縁を表明した。ダロック氏は辞任に追い込まれ、大使の空席状態が続いていた。