JR東日本の最大労働組合「東日本旅客鉄道労働組合(JR東労組)」の一部が離脱し、新たな労働組合を結成したことが10日、関係者への取材で分かった。平成30年春闘でストライキ権の行使を会社側に一時予告した際、スト計画を積極的に推進したとされる東京、八王子、水戸の3地方本部(地本)の役員を中心に分裂したとみられる。同労組ではスト予告後、組合員が大量に脱退しており、分裂により初めて1万人を下回る見通しだ。
JR東労組は10日、さいたま市内で定期中央委員会を開催。これに対し、3地本の執行部も同日、東京都内で集会を開き、新労組「JR東日本輸送サービス労働組合」を結成した。
同労組の結成宣言では「(JR東労組は)労働組合の役割と機能を放棄した存在になり果ててしまった。元のような明るい職場と健全なJR東日本を取り戻し、組織強化を実現していこう」などとしている。
関係者によると、新労組執行部には3地本執行部の主要メンバーが就任したとみられる。3地本は事前に準備委員会を立ち上げ、組合員に新組合への加入を呼びかけていたという。
JR東労組の今年1月1日時点での組合員数は約1万600人で、このうち3地本の組合員数は約半数の計約5千人。どの程度の組合員が新労組へ加入するか不透明だが、組合関係者は新労組の規模は千数百人に上るとみているという。