学歴詐称疑惑に揺れ、静岡県伊東市議会から二度目の不信任議決を受け失職が決定した田久保眞紀前市長(55)。議決直後には「やり切った」と語りながら涙を見せ、出直し市長選への出馬には慎重な姿勢を示しつつも、最終的な決断は支援者との協議に委ねる意向です。一方で、田久保氏がかつて建設反対運動に関わった伊豆高原のメガソーラー建設計画が再燃する可能性も浮上。反田久保派が分裂し、多数の候補者が乱立する中で、メガソーラー反対を主要な争点に据える選挙戦術も視野に入ると見られています。さらに、NHK党の立花孝志党首も出馬の意向を表明しており、伊東市は再び「カオス選挙」の様相を呈しています。
失職決定直後、涙を流す田久保眞紀伊東市長
不信任決議とその背景:学歴詐称疑惑の波紋
「田久保劇場第1幕が終了しまして、今度第2幕に入るか入らないか、素直にエピローグへ行ってくれるのかっていう感じですね」と、2回目の不信任決議案可決で田久保氏の失職が決まった10月31日午後、市議会の青木敬博副議長は、市長の再起への警戒感を露わにしました。決議案は賛成19人対反対1人で可決。10月18日の出直し市議選では、田久保氏を支持する候補者は定数20のうち1人しか当選しておらず、この結果は学歴詐称問題に端を発した一連の騒動に対する民意を強く示しているように見えます。この状況下で再度市長選に出馬しても、5月に3選を目指した現職を破り当選した時のような追い風は期待できないというのが一般的な見方です。しかし、事態はこれほど単純ではありません。
混迷を深める再選挙:多角的な候補者と利害の対立
「出直し市長選には、実施が決まる前からすでに6人が名乗りを上げています」と、市内の建設業界関係者は指摘します。特に知名度が高いのは、前回田久保氏に敗れた小野達也元市長(62)と、前市議で市長への転身を図る杉本憲也氏(43)です。他にも以前から市長選を見据えて準備を進めてきた会社役員らが名を連ねています。
「特に田久保氏の当選は、小野元市長の根強い不人気が大きな原因でした。そのため、当時の与党である自民・公明党などを中心に、小野氏以外の人物で候補者を一本化する動きが模索されたのです。そこで杉本氏が先行して名乗りを上げましたが、小野氏も出馬を取り下げず、『要するに調整に失敗したんです』。この反田久保派の分裂は、田久保氏側には有利な状況と映るでしょう」
争点となるメガソーラー問題と今後の展望
田久保氏が失職したことで、彼女が以前、地元で建設反対運動に深く関わっていた伊豆高原のメガソーラー建設計画が再び動き出す可能性が示唆されています。田久保氏が再出馬するならば、高市政権も抑制に動こうとするメガソーラー反対を改めて前面に掲げ、選挙戦術として活用することも十分に考えられます。さらに、NHK党の立花孝志党首も出馬意思を表明しており、各陣営の思惑が複雑に絡み合い、次の伊東市長選はまさに「カオス選挙」となる予感が漂っています。市民の民意がどのような形で示されるのか、今後の動向が注目されます。




