大阪府警が、大阪・ミナミの繁華街に最新型の防犯カメラシステムを導入することが12日、分かった。膨大な録画データの中から、通行人や車両の特徴などを自動で抽出できるカメラを来年度中に150台あまり整備。インバウンド(訪日外国人客)の増加や不良集団「半グレ」の進出で変化するミナミの治安情勢に対応していく考えだ。
近年、捜査現場での防犯カメラの重要性は高まっており、設置台数は増加。府警によると、大阪府内では現在、府警や自治体のカメラは3万台を超える。ただ、映像データの収集・分析に人手や時間がかかるという課題も抱えている。
新たな防犯カメラでは、「画像要約システム」を用いて人や乗り物の特徴が抽出できるようになる予定。例えば、事件の逃走車両を「白い車」と入力すれば、発生時間帯に走行していた白い車の映像が自動的に絞り込まれ、分析時間が大幅に短縮できる。
また、カメラと府警本部にある記録サーバーをネットワークで接続。本部にいる担当捜査員が即座に分析し、現場に指示を出すことも可能となる。カメラの画素数も現在の5倍ほどに向上させ、夜間でも鮮明に人物や車両が記録できるようになるという。
新型カメラは大阪市中央区の宗右衛門町や東心斎橋エリアを中心に整備。現在ある157台のカメラを順次、付け替えるなどし、令和3年度から本格的な運用が始まる見通しだ。