法務省は14日、全国の警察が昨年、通信傍受法に基づき、薬物密売や窃盗など10事件の捜査で携帯電話の通話を傍受し、計48人の逮捕につながったと発表した。昨年6月の改正法施行により可能になった通信事業者の立ち会いなしでの傍受は8事件を占めた。
捜査員や事業者の負担を軽減する改正法施行を受け、傍受件数は増加するとみられたが、前年の12事件から2事件減った。平成12年の法施行以降で見ると、適用事件数は計155件、逮捕者は計949人。
法務省によると、10事件の内訳は薬物密売4、窃盗2、窃盗・詐欺1、詐欺1、殺人未遂1、強盗致傷1。計31件の令状を裁判所に請求し、全て認められ、計9133回の通話を傍受した。
通信傍受法は、プライバシー侵害への懸念などから、立法時に激しい反対があった。当初の対象犯罪は薬物など4類型に限られていたが、28年12月から詐欺や窃盗など9類型が追加された。