チキンラーメン ふるさと納税返礼品に復活


 即席麺「チキンラーメン」発祥の地、大阪府池田市が17日、一度はふるさと納税の返礼品から消えたチキンラーメンを復活させることを発表した。返礼品は「地場産品」に限るという総務省の方針を受け、生産工場がない同市では昨年6月から扱いを中止していたが、パッケージを変更するなどして復活にこぎつけた。

 チキンラーメンは、日清食品の創業者、安藤百福(ももふく)氏が池田市内の自宅で開発を行い、昭和33年に世界初の即席麺として発売された。同市内では「カップヌードルミュージアム大阪池田」も設立され観光名所になるなど、チキンラーメンは地域活性化に欠かせない存在になっている。


大阪府池田市のふるさと納税返礼品としてチキンラーメンが復活することが決まり、記者会見する冨田裕樹市長と市観光大使「ひよこちゃん」=17日、池田市(渡辺恭晃撮影)
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 市によると、日清食品のチキンラーメン5個と同社の複数のカップ麺などをセットにした返礼品は、ふるさと納税が始まった20年9月から始めた。ところが、全国的に高額の返礼品などが問題になったことを受けて総務省が返礼品は地場産品とするとした基準を示し、新制度を昨年6月に施行。大阪府外で生産されていることを理由に、市は自主的に返礼品としての取り扱いを中断していた。

 ただ、新制度の地場産品の定義では「自治体の広報の目的で生産されたグッズに類するもの」は認めているため、総務省と調整。日清食品とも協議し、返礼品を入れる段ボールを「即席麺発祥の地」であることを強調したデザインに一新したうえで、チキンラーメンを使った市内飲食店を紹介する冊子なども同封して、地場産品として提供することになった。


即席麺の発祥の地、大阪府池田市をアピールするふるさと納税返礼品のイメージ=17日、大阪府池田市(渡辺恭晃撮影)
即席麺の発祥の地、大阪府池田市をアピールするふるさと納税返礼品のイメージ=17日、大阪府池田市(渡辺恭晃撮影)
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 市によると、チキンラーメンは人気の返礼品で、30年度は、返礼品付きの寄付約7300万円のうち約3800万円がラーメン関連だった。昨年9月には、復活を求める市民の請願書を市議会で全会一致で採択。署名は計約6千人分に上っていた。冨田裕樹市長は「今回の再開は、返礼品競争とは本質的に異なる」と強調したうえで、「多くの市民の期待に応えられて、ほっとしている」と話している。



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