クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の新型コロナウイルス感染者とその家族ら32人が19日午前2時15分ごろ、受け入れ先の藤田医科大岡崎医療センター(愛知県岡崎市)に到着した。藤田医科大によると、うち男女4人にせきや発熱といった肺炎の症状があり、県内の医療機関へ搬送した。
同センターは4月に開院予定で医療機関の認可を受けていないため、治療はできず、経過観察を行う。藤田医科大病院の湯沢由紀夫病院長は記者会見し「厚生労働省の要請を受け、人道的な観点から受け入れを決めた」と話した。
大学側の説明によると、32人は40~80代で、感染が確認されたが症状のなかった24人と、ウイルス検査で陰性だが同行を希望した感染者の家族ら8人。センター到着後にせきや発熱などを調べるメディカルチェックを実施した結果、4人に肺炎の疑いがあった。
32人は18日夜に横浜市を出発し、バスで移動した。出発時にも同様の検査を受けており、4人は移動中に発症した可能性が高い。大学側は4人の年齢や国籍などを明らかにしていない。
同センターは19日午後に約60人、20日に約70人をクルーズ船から受け入れる予定で、計約170人の経過観察を行う。今後、感染者との濃厚接触を避けるため、少人数の医師や看護師のみが対応し、感染者の外出は制限する。