東京都中央区、銀座のそばに古い街並みが色濃く残る一角に建つ、築50年以上のマンション。ワンルーム・25m²、たった6畳の限られた空間で、ミドルシニアの夫婦が預かり犬とともに静かに暮らしています。
【写真】夫婦2人の引越し先である6畳ワンルームの間取り図、内観、レイアウトデザインまですべて公開!
1人暮らしの大学生が暮らすような空間に、60代の夫・49歳の妻・12キロの中型犬……。「いやいや、いくら何でも狭すぎるだろう」というツッコミが入りそうですが、実際に暮らしてみると、そのツッコミはまったくもって正しかったのです。
つまりは、想像以上に狭かった。
今回のコラムでは、狭すぎる部屋をいかに楽しく暮らせる状態に仕立て直したかについて、つれづれなるままに綴りたいと思います。
■本音は35m²くらいの家に住みたかった
私たち夫婦は、もともと30m²の部屋で2人暮らしをしていました。「荷物が少ないので、快適ではあるけれど、もうちょい広いといいな」「35m²ぐらいが我が家にとっては最適だな」というのが正直なところ。
とある事情で引っ越しをすることになりましたが、3年前から夫ががんになり、頻繁に入退院を繰り返しているため、かかりつけの病院に近いというのが、物件選びの絶対条件でした。夫の通う病院は、医療の内容も設備もすばらしいのですが、港区の超一等地にあるため、近隣の家賃は当然、非常に高額になります。
ここ数年、医療費は常に高額療養費制度の上限を支払っているうえに、夫が退職して年金暮らしになったこともあって、家計に余裕はナシ。30m²以上の物件で探してはみたものの、予算に合うものはなく「この家しか住めなかった」というのが実情です。
とはいえ「こんな狭い家しか住めなくて……ヨヨヨ……貧乏って不幸(涙)」という悲観的なスタンスではなく、「狭い家だけど、これはこれでかえって楽しみ(笑顔)」と、いたって前向きに捉えています。狭くても駅チカで利便性のいい都心部で、病院にも近い場所を確保できただけでラッキーでした。






