肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの流行が続く中で、中国各地では感染拡大を阻止するためさまざまな対策が取られている。買い物制限や解熱薬の販売停止、会食禁止といった独自の規制措置を、各地の地方政府が打ち出している。自らの地域で感染拡大を防ぐためだが、住民や企業に多大な負担を強いる対策も目立つ。(中国総局 三塚聖平)
買い物制限
浙江省温州市は、人の移動を制限する措置をとっている。この中で、生活に必要な物資を買うための外出は、1世帯で2日に1度、1人に限るとしている。商才にたけた「温州商人」と呼ばれる温州市出身者が各地で働いているため、同市は浙江省の中で最も感染者が多い。そのため温州市当局は危機感を強めている。
温州市と類似した買い物制限は、中国各地で広がりを見せている。中国メディアによると、江蘇省南京市や福建省福州市、黒竜江省ハルビン市、浙江省寧波市など多くの都市が、何らかの買い物制限を取っているという。各地によって具体的な措置は異なるが、各家庭に「外出証」が配られ、外出するたびに日付を記入するといった管理が行われていると伝えられる。
中国のインターネット上では、自宅マンションのベランダからドローン(小型無人機)を飛ばして商品を受け取る人も報告されている。貴重な「外出証」を節約するためだ。
解熱薬の販売停止
薬の販売を規制する地方政府も少なくない。