JR西日本は19日、自動運転の導入に向けて本格的に検討を始めると発表した。少子高齢化の中、今後懸念される人手不足を見据えた対応。今月には自動運転装置を搭載した車両の走行試験を実施しており、将来的には無人での自動運転を目指す。
導入を想定しているのは、大半が高架で踏切がなく、人が侵入しにくい大阪環状線や桜島線。走行中に自動で加速や減速が可能で、定位置へ停車できる装置を開発している。さらに技術改良を重ねたり環境を整備したりして、導入路線を拡大したい考えだ。
走行試験は2月5、7、17、19日の終電後から始発前まで、大阪環状線の大阪-京橋で1編成8両の車両に運転士が乗り込み実施。17日は走行試験の様子が報道陣に公開され、運転士は出発ボタンを押した後、速度を調整したり停止したりする動作を装置にまかせていた。
自動運転をめぐっては、これまでは「ポートライナー」(神戸市)など踏切のない7事業者8路線のみで導入されていたが、全国的に人手不足が懸念される中、近年はJR東日本が山手線で走行試験を実施するなど各社で導入に向けた取り組みが行われている。
JR西では平成31年4月時点で55歳以上の社員が約26%を占める。今後、大量退職などによる運転士不足が想定されている。