新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大阪府主催のイベントなどの中止や延期を表明している大阪府の吉村洋文知事は20日、「大阪だけでなく、国全体で(自粛を)すべきだと思う。(イベントを準備してきた)現場の思いもあるが、国が中心になるべきだ」と述べた。府庁で記者団の取材に答えた。
吉村氏は集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗っていた府民について、厚生労働省から情報をもらった上で、独自に14日間の健康観察を行いたい意向も示し、「他の国がやっている新たな隔離は難しいが、少なくとも各自治体がフォローアップし、ケアしていくことが重要だ」と話した。
19日時点で、府では3月20日までのイベント207件を中止し、30件を延期する予定。吉村氏は「影響が大きいのは分かるが、感染が拡大すれば医療機関も対応できなくなり、助かるはずの命も助からなくなる」と主張。「国民の命が奪われれば、もっと大きな経済的打撃を受けると思う」と述べ、国が自粛を積極的に呼びかけるべきだとした。
大阪市の松井一郎市長も府と同様の措置を取る方針を示しており、20日の定例記者会見で、自粛については、(イベントの)場所の閉鎖性や参加者間の距離、接触程度、不特定多数が参加するかどうかを踏まえて判断すると説明。参加者数の目安に関しては、「会場のキャパシティーによるため、一定のところで線を引いているわけではない」とした。