昨年1年間、全国の警察による容疑者の取り調べで、不適切とされる「監督対象行為」が計10件あったことが27日、警察庁のまとめで分かった。懲戒処分に該当する行為はなかった。
類型別では、任意捜査の段階で公費の食事を与えるなどの「便宜供与」が最多の3件。机を蹴るなどの「有形力の行使」、供述しないと逮捕すると脅すなどの「不安を覚えさせ困惑させるような言動」、容疑者の人格を否定するような発言などの「尊厳を著しく害す言動」がそれぞれ2件。胸ぐらをつかむ「身体接触」が1件だった。
取り調べ全体の件数は約117万3千件。うち容疑者側からの苦情や捜査部門からの連絡など計359件について調査した。
警察庁は今回、これまで集計していた「事前承認のない深夜や長時間の取り調べ」について、昨年6月の規則改正で「取り調べ監督官制度」の対象から外れ、捜査部門がチェックしているとして計上していない。