8府県と政令市で構成する関西広域連合の会合が1日、大阪市内で開かれ、新型コロナウイルスへの政府対応に不満や戸惑いの声が相次いだ。
「国はもっと早く休校のことを言うべきだった。現場は大混乱している」。鳥取県の平井伸治知事は会合で、全国の小中高校などの休校を2月27日に急遽(きゅうきょ)要請した政府対応を批判。これに関連し、徳島県の飯泉(いいずみ)嘉門知事は「国と一致結束して対策を進めるが、地域の実情があるので弾力的な運用が必要だ」と訴えた。
休校になることで、保護者らは子供の世話のために欠勤を余儀なくされ、収入減を強いられたりする。安倍晋三首相は29日の記者会見で新たな助成金制度を創設すると表明したが、「今回の制度で十分にカバーできるのか。融資だけでなく、踏み込んだ支援策にする必要がある」(飯泉氏)との意見も出た。
一方、平井氏は、新型コロナウイルスの感染が拡大している現状を「これからどう展開するか分からないと肝に銘じるべきだ。(平成21年に流行した)新型インフルエンザなど過去の教訓を生かさないといけない」と強調した。
会合では、自治体から国への提言をまとめるべきだとの認識を共有。小規模な集団感染「クラスター」の防止やウイルス検査をめぐり協力態勢を強化する方針も確認した。
広域連合長の井戸敏三兵庫県知事は会合後の記者会見で、政府対応を「議論よりも実行と、安倍首相も為政者の責任を表明したのではないか」と理解を示した上で、「(自治体側は)地域の実情に応じた対策をやっていく」と語った。