東京電力福島第1原発事故で一時全村避難となった福島県飯舘村の県立相馬農業高校飯舘校は1日、移転先の福島市で休校式を開いた。村唯一の高校だったが、事故後に新入生が減少。卒業生は「いつの日か村に戻り、再開できることを願っている」と思いを語った。
同校は平成24年からプレハブの仮設校舎で授業を行ってきた。新入生が定員の半数に満たない年が続き、30年度から募集を停止した。仮設校舎は取り壊される予定。
休校式に先立ち、3年生8人が卒業式に臨み、校長から1人ずつ卒業証書を受け取った。代表の菅野菜月さん(18)は「震災以降、多くの人々に支えられてきた思い出が小さな校舎に詰まっている。なくなってしまうのは寂しいけれど、思い出がなくなることはない」とあいさつした。