【主張】華為の限定容認 英国は同盟を揺るがすな

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 英政府が次世代通信規格「5G」で、中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)製品の一部使用を認めた。

 この判断は、完全排除を求める米国との亀裂を招き、西側同盟の結束を揺るがしかねない。

 欧州諸国も追随する構えだ。米国と「特別な関係」にある英国の離反で包囲網が崩壊する恐れもある。

 中国やロシアといった権威主義国家は国際秩序の現状変更を試みている。その中国は、5Gでの覇権確立を狙ってもいる。

 一部とはいえ、華為製品の使用を認めた英政府の判断は、これを追認することにならないか。5Gは各国の安全保障に直結する。英国はじめ欧州諸国は、米国との分断解消に努めてほしい。

 英通信大手は過去15年、通信分野で華為製品を導入し続けた。完全排除すると5Gでの通信インフラ整備が停滞する。他社製品に交換すれば、数百億円の費用がかかる。英国は欧州連合(EU)離脱後、ハイテク企業育成を成長の原動力に掲げている。通信インフラ整備の遅れは、5Gの世界的競争から取り残されかねない。

 その危惧から低コスト高性能の華為製品の一部容認に傾いた。原子力施設や軍基地の中核から排除し、使用は基地局など周辺機器に絞って35%までとした。華為の優位性と安全保障上の懸念とのバランスをとった形だ。だが、華為製品に依存してきた英国の弱みが露呈したとも言えないか。

 5G分野での覇権をめぐり、中国と対立する米政府は「近視眼的重大ミス」と反発している。英紙によると、電話協議でトランプ大統領は、ジョンソン首相に激しい怒りをぶちまけたとされる。

 米国防総省のホフマン報道官は英政府の決定を「いかなる方法をとっても情報が漏れる」と基地局アンテナの使用だけでも重大リスクになると批判した。独仏両国に加え、ベルギー、スイスも程度の差はあれ採用を決めている。

 欧州諸国が米国の意向に反した動きを見せるのは、北大西洋条約機構(NATO)で防衛費増額を求めるトランプ政権への強い不信がある。分断は米国の同盟国軽視が招いた側面もあろう。

 5Gというサイバー空間で中国の覇権を許せば、自由や民主主義といった普遍的価値への脅威となる。日本を含む西側諸国は今こそ歩調を合わせるべきだろう。

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