新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象に「新型コロナウイルス感染症」を追加する改正案が成立すれば、「緊急事態宣言」を発令できるようになる。安倍晋三首相は4日の参院予算委員会で、緊急事態宣言について「専門家の意見をいただく中で検討したい」と説明した。
緊急事態宣言によって、都道府県知事は不要不急の外出自粛を要請できるほか、学校や老人福祉施設、興行施設の利用制限を要請・指示することができる。マスクなどの品薄が続く中、業者に対し必要な医薬品や食品などの物資の売り渡し要請や収用、保管命令も可能だ。従わなかった場合などは30万円以下の罰金といった罰則規定もある。臨時の医療施設用に土地や建物を強制的に使えるようにもなる。
行政府の権限を強める一方で、私権を制限するため制限は必要最小限にとどめ、2年間の時限措置とする。適用期間は政府が感染症法に基づく「指定感染症」に指定した2月1日から令和4年2月までの間で政令で定める。
現行法は新型インフルエンザや過去に大流行した再興型インフルエンザ、新感染症を対象としているが、新型コロナウイルスは新感染症には当たらないため新たに追加することとした。