【シネマプレビュー】「仮面病棟」





映画「仮面病棟」場面写真

 同名の小説を、「屍人荘の殺人」などの木村ひさし監督が映画化。木村監督は普段、名前の表記にかわいらしい顔マークを使っているが、これをはずし、持ち味のコミカルさも封印。古びた病院を舞台に、緊迫感あふれるサスペンスを撮った。

 医師の速水(坂口健太郎)が先輩の代理で当直を務める病院に、銃を持ち、ピエロの仮面をかぶったコンビニ強盗が逃げ込んだ。発砲してけがをさせた瞳(永野芽郁)を治療し、一晩身を潜ませろとおどす。

 ピエロは何者なのか。院長と2人の看護師は、何を隠しているのか。続々と積み上げられる謎が、クライマックスで一気に明かされる。判明するのは意外な事実。

 どぎつい表現はなく、しかし適度な緊迫感を持続し、テンポが乱れない。話の運び方がうまいということだ。いくつか重要なポイントで、“犯人”に都合の良い展開があるのが気になってしまったが、それもこの話運びのうまさゆえだろう。

 6日から東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪ステーションシティシネマなどで全国公開予定。1時間54分。(健)

★★★☆

(★5傑作 4見応え十分 3楽しめる 2惜しい 1がっかり ☆は半分)



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