【野田小4虐待死、被告人質問2日目詳報】(3)完 「死は虐待行為が原因の一つ」と認めるも「妻は嘘をついている」と主張





 栗原勇一郎被告(フェイスブックから)

 千葉県野田市で昨年1月、小学4年の栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=を虐待して死亡させたとして、傷害致死罪などに問われた父親の勇一郎被告(42)の裁判員裁判は弁護側の被告人質問が終わり、検察側の質問に移った。

 弁護人からの質問に対し、おえつを漏らしながら心愛さんへの思いなどを語っていた勇一郎被告。休憩後に入廷した際は落ち着いた様子で、証言台の近くで裁判官、検察官、傍聴席、弁護人へと順番に頭を下げ、着席した。

 勇一郎被告は弁護人の被告人質問で一連の行為を「虐待だった」と認めた。検察官もまず、「虐待の認識」をただした。

 事件当時については「(虐待の認識は)ない」とした被告だったが、「振り返ると虐待だと思うか」という質問には「はい」と回答。どの行為が虐待に当たるかについては「心愛に対しての『お前』という発言、暴れた心愛を押さえつけたり、持ち上げたり、屈伸や立たせたりすること、そうしたことすべて」と答えた。

 「暴れたから押さえつけた」などと説明する勇一郎被告に対し、検察側が「心愛さんに責任を押し付けていると思わないか」と追及すると「事実を述べたのであって、心愛が言ったからこういう風になった、ということではない」と釈明。被告の証言と、他の事件関係者との証言が食い違っているとの指摘には「皆が嘘をついていることになる」との認識を示した。

 質問は、傷害致死など計6つの罪のうち唯一、全面的に否認している29年11月上旬に心愛さんの頭を手で殴るなどとした暴行事件に移った。心愛さんは同月行われた学校のアンケートで虐待を訴えていたが、前日の弁護側被告人質問で勇一郎被告は「心愛がされてもいないのに、嘘を書いたと思う」と主張。理由については「思いつかない。今振り返ってもわからない」と説明していた。

 この日、検察官から再度同じ質問をされても、勇一郎被告は従来の主張を繰り返した。心愛さんが児童相談所の職員や心愛さんの担任に対し「暴力を受けた」と説明していることを踏まえ、検察官が「複数の大人に被害を打ち明けたのはどうしてだと思うか」「心愛さんは実の親を訴えるほど嘘つきか」などと追及しても「わかりません」としか答えなかった。

続きを読む



Source link