栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=の虐待死事件を検証した千葉県検証委員会の川崎二三彦(ふみひこ)委員長が6日、県庁で報道陣の取材に応じ、心愛さんへの傷害致死罪などに問われた父親の勇一郎被告(42)の裁判員裁判を傍聴して受けた印象などを語った。
川崎委員長はこれまでの9回の公判のうち、4回を傍聴。勇一郎被告の印象について「傷害致死罪は争わないが、個々の虐待行為について争うのは珍しい。さまざまな証言も一貫して否定し、虐待を認めていないとも言える。大変な人だなと思った」と指摘した。
専門家として、こうしたケースを理解するのが今後の課題とも語った。
事件については「想像以上の非常に過酷な虐待で、二度と起こしてはならない」と改めて強調した。
一方、昨年11月の報告書公表時に、裁判で新事実が出れば行うとしていた追加検証については「報告書を大きく変えなければいけないものではない」として否定的な見解を示した。