【ワシントン=塩原永久】週明け9日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は暴落し、前週末比2013・76ドル安の2万3851・02ドルで取引を終えた。新型コロナウイルス感染拡大や、急激な原油安への警戒感が強まり、1日の下げ幅は過去最大。下落率が7・8%に達した。米市場に先立って取引を終えた欧州の株式市場も、主要指標が最大で十数%の下落率を記録し、世界的な同時株安が加速している。
ニューヨーク市場では取引開始直後から全面安となり、下落率が7%を超えたため、ニューヨーク証券取引所が取引を一時停止する「サーキットブレーカー」を発動した。15分後に売買を再開し、いったんは下げ止まったが、午後の取引終了時間にかけて再びリスク回避の売りが広がった。
ハイテク株主体のナスダック総合指数も624・94ポイント安の7950・68で取引を終えた。
米国でも新型コロナの感染者増加に歯止めがかからず、景気への影響懸念が強まった。原油相場の急落により、関連企業の業績や新興国経済に及ぼす打撃を投資家が警戒。安全資産とされる国債や金が買われた。
9日のニューヨーク原油先物相場は、指標となる米国産標準油種(WTI)の4月渡しが前週末比10・15ドル安の1バレル=31・13ドルと、2016年2月以来、約4年ぶりの安値で取引を終えた。米メディアによると、この日記録した24%の下落率は、湾岸戦争が起きた1991年1月以来、約29年ぶりの大きさという。