塩野義製薬の課税80億円取り消し 東京地裁


 エイズウイルス(HIV)治療薬の販売権の譲渡益をめぐり、製薬大手の塩野義製薬(大阪市)が、大阪国税局の指摘した約400億円の申告漏れを不服として課税処分の取り消しを求めた訴訟の判決が11日、東京地裁であった。古田孝夫裁判長は塩野義側の訴えを認め、約80億円の課税を取り消した。

 判決などによると、塩野義は海外の製薬会社とともに英領ケイマン諸島に共同出資会社を設立し、HIV治療薬の開発に着手。平成24年10月、塩野義が持つ治療薬の販売権を英国子会社を通じ、現物出資の形で製薬会社に譲渡した。代わりに同社の株式を一部取得、約400億円の譲渡益を得た。

 国税局は販売権などが国内の資産に当たるとして課税したが、古田裁判長は国内の資産には該当しないと指摘。国税局の課税処分を違法と判断した。

 塩野義製薬は「当社の主張を実質的に全面的に認めた判決。裁判所に敬意を表したい」とコメント。大阪国税局は「判決内容を詳細に検討し、関係当局と協議の上、控訴するかどうか決定する」としている。



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