大阪府寝屋川市の自宅プレハブ小屋で10年以上にわたり長女の柿元愛里さん=当時(33)=を監禁し凍死させたとして、保護責任者遺棄致死と監禁の罪に問われた父の泰孝(57)と母、由加里(55)両被告の裁判員裁判の判決公判が12日、大阪地裁で開かれ、野口卓志裁判長は、いずれも求刑通り懲役13年の判決を言い渡した。
野口裁判長は判決理由で「(愛里さんの)保護が必要と認識しながら、長期間の監禁で人間的な尊厳を害した犯行はあまりにも無責任」と指弾した。
愛里さんは統合失調症の診断を受けており、公判で弁護側は、小屋での生活は「狭い部屋が好きな本人の希望に沿ったもの」と主張。愛里さんは死亡前日も食事を完食し、命の危険を認識していなかったなどとして無罪を主張していた。
これに対し検察側は「殺人に近い犯行」として、それぞれに懲役13年を求刑していた。
判決などによると、両被告は平成19年頃から10年以上にわたり、愛里さんをプレハブ小屋に監禁し、適切な室温管理や食事などで栄養を与えず衰弱させ凍死させた。遺体発見時の愛里さんの体重は19キロだった。