野生生物などの映画やテレビ番組の監督・カメラマン、ジョン・チェスターと、その妻で伝統料理家のモリーが米ロサンゼルス郊外の荒れ果てた広大な農地(東京ドーム約17個分)を、美しいオーガニック農場に再生させていく8年間を記録したドキュメンタリー映画。
農業を始めるきっかけは、愛犬の鳴き声が原因でロサンゼルスのアパートを追い出されたことだった。「目標は生物多様性を極限まで高めること」-。
伝統農法の専門家の助言の下、鶏や羊、牛、豚とあらゆる動物を集め、堆肥、地面を覆う被覆作物が持つ有益な微生物も活用することで土地をよみがえらせていく。当初は自然に翻弄されるが、いつしか自然が持つ複雑な免疫システムに気づき始める。
世界各国の映画祭で観客賞を受賞したほか、米映画批評サイト「ロッテン・トマト」では満足度91%の高評価。文部科学省特別選定一般非劇映画、東京都推奨映画。映像の美しさ、自然の持つ豊かさに感動させられる。
14日から東京・シネスイッチ銀座、4月3日から大阪・シネ・リーブル梅田などで全国順次公開。1時間31分。(啓)
★★★★
(★5傑作 4見応え十分 3楽しめる 2惜しい 1がっかり ☆は半分)