関西電力役員らの金品受領問題を調べてきた第三者委員会(委員長・但木敬一元検事総長)が14日、調査報告書を公表したことを受け、企業統治に詳しい保田隆明・神戸大大学院経営学研究科准教授は「企業風土を刷新するなら、経営陣全体の入れ替えが必要」と強調した。
「これだけ長期にわたり不公正な行為が行われていた背景には、今までも隠蔽に成功していたのだから、今後も大丈夫だろうという認識が社内にあったからだろう。誰かが問題を指摘すれば、過去に金品を受け取ってきた先輩の不正を暴露することにつながる。このことも問題を長期化させた。いずれにせよ、関電はガバナンス(企業統治)が全く機能していなかったと断ぜざるを得ない。
森本孝副社長が社長に昇格する人事が発表されたが、新体制下でも、関電の企業風土の刷新は期待できない。組織文化というのは長年にわたり培われてきたものであり、容易には変革できないからだ。もし本当に企業風土を刷新するというのならば、経営陣全体を入れ替える必要がある。副社長が社長に昇格したという点だけを見ても、〝間違った行為を行っていた〟との認識が社内で薄いことがうかがえる」